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Lua では対応できない低レベルで、外部のソフトウェアやハードウェアと独自に連携する必要がある場合は、Defold SDK を使ってエンジンの拡張を作成できます。対象プラットフォームに応じて、C、C++、C#、Objective-C、Java、JavaScript を使用できます。ネイティブ拡張(native extension)の代表的な用途は次のとおりです。
C# のサポートは実験的なもので、Defold のスクリプトコンポーネント(script component)ではなく、ネイティブ拡張を対象としています。.NET 9 NativeAOT を使って静的ライブラリを生成します。拡張の src フォルダーに .cs ソースファイルを追加すると、ビルドサービスがプロジェクトファイルを生成します。対象プラットフォームのサポート範囲は、現在の NativeAOT とビルドサービスの対応状況に従います。現在のワークフローとテスト済みの構成については、公式のネイティブ拡張の言語サンプルを参照してください。
Defold はクラウドベースのビルド機能により、セットアップ不要でネイティブ拡張を使い始められる仕組みを提供しています。作成したネイティブ拡張は、直接、またはライブラリプロジェクト(Library Project)を通じてゲームプロジェクトに追加すると、通常のプロジェクトコンテンツの一部になります。特別なバージョンのエンジンをビルドしてチームメンバーに配布する必要はありません。これは自動的に処理され、プロジェクトをビルドして実行するチームメンバーは、すべてのネイティブ拡張が組み込まれた、そのプロジェクト専用のエンジン実行ファイルを取得できます。

Defold は、使用制限のないクラウドビルドサーバーを無料で提供しています。サーバーはヨーロッパに設置されています。ネイティブコードの送信先 URL は、エディターの環境設定ウィンドウ、または bob の --build-server コマンドラインオプションで設定します。独自のサーバーをセットアップする場合は、こちらの手順に従ってください。
新しい拡張を作成するには、プロジェクトのルートにフォルダーを作成します。このフォルダーには、拡張に関連するすべての設定、ソースコード、ライブラリ、リソース(resource)を格納します。拡張ビルダーはフォルダー構造を認識し、ソースファイルとライブラリを収集します。
myextension/
│
├── ext.manifest
│
├── src/
│
├── include/
│
├── lib/
│ └──[platforms]
│
├── manifests/
│ └──[platforms]
│
└── res/
└──[platforms]
platform または architecture-platform という名前のサブフォルダーに配置します。
サポートされるプラットフォームは ios、android、osx、win32、linux、web です。
サポートされる arc-platform の組み合わせは arm64-ios、arm64_sim-ios、armv7-android、arm64-android、x86_64-android、arm64-osx、x86_64-osx、x86-win32、x86_64-win32、arm64-linux、x86_64-linux、wasm-web、および wasm_pthread-web です。
lib のサブフォルダーと同様に、platform または architecture-platform という名前のサブフォルダーに配置します。すべてのプラットフォームに共通するリソースファイルを格納する common サブフォルダーも使用できます。拡張の任意の manifests フォルダーには、ビルドとバンドル作成の処理で使う追加ファイルを格納します。ファイルは、platform という名前のサブフォルダーに配置します。
android - このフォルダーには、メインアプリケーションにマージするマニフェストのスタブファイルを配置できます(こちらで説明しています)。
build.gradle ファイルも配置できます。ios - このフォルダーには、メインアプリケーションにマージするマニフェストのスタブファイルを配置できます(こちらで説明しています)。
Podfile ファイルも配置できます。osx - このフォルダーには、メインアプリケーションにマージするマニフェストのスタブファイルを配置できます(こちらで説明しています)。web - このフォルダーには、メインアプリケーションにマージするマニフェストのスタブファイルを配置できます(こちらで説明しています)。拡張はプロジェクト内のほかのアセット(asset)と同じように扱われ、同じ方法で共有できます。ネイティブ拡張のフォルダーを Library フォルダーとして追加すると、プロジェクトの依存関係としてほかのユーザーと共有し、利用してもらえます。詳しくは、ライブラリプロジェクトのマニュアルを参照してください。
とても単純な拡張をビルドしてみましょう。まず、ルートに新しいフォルダー myextension を作成し、拡張の名前「MyExtension」を記述したファイル ext.manifest を追加します。この名前は C++ のシンボルであり、DM_DECLARE_EXTENSION の最初の引数と一致する必要がある点に注意してください(後述します)。

# C++ symbol in your extension
name: "MyExtension"
この拡張は、「src」フォルダーに作成する1つの C++ ファイル myextension.cpp で構成されます。

拡張のソースファイルには、次のコードを記述します。
// myextension.cpp
// Extension lib defines
#define LIB_NAME "MyExtension"
#define MODULE_NAME "myextension"
// include the Defold SDK
#include <dmsdk/sdk.h>
static int Reverse(lua_State* L)
{
// The number of expected items to be on the Lua stack
// once this struct goes out of scope
DM_LUA_STACK_CHECK(L, 1);
// Check and get parameter string from stack
char* str = (char*)luaL_checkstring(L, 1);
// Reverse the string
int len = strlen(str);
for(int i = 0; i < len / 2; i++) {
const char a = str[i];
const char b = str[len - i - 1];
str[i] = b;
str[len - i - 1] = a;
}
// Put the reverse string on the stack
lua_pushstring(L, str);
// Return 1 item
return 1;
}
// Functions exposed to Lua
static const luaL_reg Module_methods[] =
{
{"reverse", Reverse},
{0, 0}
};
static void LuaInit(lua_State* L)
{
int top = lua_gettop(L);
// Register lua names
luaL_register(L, MODULE_NAME, Module_methods);
lua_pop(L, 1);
assert(top == lua_gettop(L));
}
dmExtension::Result AppInitializeMyExtension(dmExtension::AppParams* params)
{
return dmExtension::RESULT_OK;
}
dmExtension::Result InitializeMyExtension(dmExtension::Params* params)
{
// Init Lua
LuaInit(params->m_L);
printf("Registered %s Extension\n", MODULE_NAME);
return dmExtension::RESULT_OK;
}
dmExtension::Result AppFinalizeMyExtension(dmExtension::AppParams* params)
{
return dmExtension::RESULT_OK;
}
dmExtension::Result FinalizeMyExtension(dmExtension::Params* params)
{
return dmExtension::RESULT_OK;
}
// Defold SDK uses a macro for setting up extension entry points:
//
// DM_DECLARE_EXTENSION(symbol, name, app_init, app_final, init, update, on_event, final)
// MyExtension is the C++ symbol that holds all relevant extension data.
// It must match the name field in the `ext.manifest`
DM_DECLARE_EXTENSION(MyExtension, LIB_NAME, AppInitializeMyExtension, AppFinalizeMyExtension, InitializeMyExtension, 0, 0, FinalizeMyExtension)
拡張コードへの各エントリーポイントを宣言するマクロ DM_DECLARE_EXTENSION に注目してください。最初の引数 symbol は、ext.manifest で指定した名前と一致する必要があります。この単純な例では、update と on_event のエントリーポイントは不要なので、マクロのそれらの位置には 0 を指定しています。
あとはプロジェクトをビルドするだけです(Project ▸ Build)。拡張が拡張ビルダーにアップロードされ、新しい拡張を組み込んだカスタムエンジンが生成されます。ビルダーでエラーが発生すると、ビルドエラーを表示するダイアログが開きます。
拡張をテストするには、ゲームオブジェクト(game object)を作成し、テストコードを記述したスクリプトコンポーネントを追加します。
local s = "abcdefghijklmnopqrstuvwxyzABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ"
local reverse_s = myextension.reverse(s)
print(reverse_s) --> ZYXWVUTSRQPONMLKJIHGFEDCBAzyxwvutsrqponmlkjihgfedcba
これで完成です!完全に動作するネイティブ拡張を作成できました。
前述のとおり、DM_DECLARE_EXTENSION マクロは、拡張コードへの各エントリーポイントを宣言するために使います。
DM_DECLARE_EXTENSION(symbol, name, app_init, app_final, init, update, on_event, final)
これらのエントリーポイントを使うと、拡張のライフサイクルのさまざまな時点でコードを実行できます。
app_initinit - すべての Defold API の初期化が完了しています。拡張コードへの Lua バインディングは、拡張のライフサイクルのこの時点で作成することをお勧めします。init() 関数が呼び出されます。updateupdate() 関数が呼び出されます。on_eventfinal() 関数が呼び出されます。finalapp_final各プラットフォームでは、ビルダーによって対応する次の識別子が定義されます。
DM_PLATFORM_WINDOWSDM_PLATFORM_OSXDM_PLATFORM_IOSDM_PLATFORM_ANDROIDDM_PLATFORM_LINUXDM_PLATFORM_HTML5プロジェクトでネイティブ拡張を使用している場合は、ビルドサーバーのログを利用できます。ビルドサーバーのログ(log.txt)は、プロジェクトのビルド時にカスタムエンジンとともにダウンロードされます。ファイル .internal/%platform%/build.zip 内に格納されるほか、プロジェクトのビルドフォルダーにも展開されます。
Defold Asset Portal にも、いくつかのネイティブ拡張があります。